専用サーバー管理者向け:アカウントとワークグループの管理指針
Handbook X 専用サーバー(Private Server)における「アカウント管理」と「ワークグループ管理」の関係性と、それぞれの役割について解説します。
2つの管理層の考え方
Handbook Xの管理は、「誰がいるか(アカウント)」と「何をするか(ワークグループ)」の2階層で考えるとスムーズです。マンションの管理に例えると分かりやすくなります。
1. アカウント管理 = 「住民登録」
「このサーバー(マンション)に誰が入れるか」を管理します。
- 役割: ユーザーの作成、ログイン情報の管理、ライセンス(サービスプラン)の割り当て。
- 管理者の思考: 「新入社員が入ったのでIDを作ろう」「退職者のログインを停止しよう」
- 操作場所: [アカウント] タブ
- 主な作業:
- ユーザーアカウントの新規作成・削除
- パスワードリセット
- 編集者/閲覧者ライセンスの変更
2. ワークグループ管理 = 「部屋割り・チーム編成」
「登録された住民が、どの部屋(チーム)で活動するか」を管理します。
- 役割: 組織図やプロジェクト単位での「場」の作成、情報の共有範囲の決定。
- 管理者の思考: 「営業部の資料を共有する場を作ろう」「開発部の資料は営業部には見せたくない」
- 操作場所: [ワークグループ] タブ
- 主な作業:
- ワークグループ(部署・チーム)の作成
- 既存アカウントをメンバーとして招待・追加
- ワークグループ内での役割(Admin/Editor/Reader)設定
運用ベストプラクティス
アカウントは「個人」、ワークグループは「役割」
- アカウントは、一人の人間(社員)に対して一つ発行します。
- ワークグループは、その人が所属する「部署」や「プロジェクト」の数だけ参加させます。
- 例: 「田中さん(アカウント)」は、「営業部(WG)」と「社内行事委員会(WG)」の両方に所属する。
権限の分離
- サーバー管理者(オーナー): 全体のアカウント発行権限を持ちます。情シス部門などが担当します。
- ワークグループ管理者: 各現場のリーダーに権限を委譲します。
- サーバー管理者は「営業部ワークグループ」という箱だけ作り、その管理権限(Admin)を営業部長のアカウントに付与します。
- あとの細かいメンバー管理(係長を入れる、新人を追加するなど)は、営業部長に任せることができます。
マトリクス管理の推奨
大規模な組織では、以下のようなマトリクス表を作成して設計することをお勧めします。
| 氏名 (アカウント) | 営業部WG | 技術部WG | 役員会WG |
|---|---|---|---|
| Aさん (社長) | 閲覧者 | 閲覧者 | 管理者 |
| Bさん (営業部長) | 管理者 | - | 閲覧者 |
| Cさん (新人) | 編集者 | - | - |
- アカウント管理: Aさん、Bさん、Cさんというユーザーが存在することを保証する。
- ワークグループ管理: 縦列の各WGに対して、誰をどの権限でアサインするか決定する。