Handbook X 専用サーバー管理者ガイド(エンタープライズプランご利用者向け)
このガイドでは、Handbook X 専用サーバー(Dedicated Server / Private Server)固有の機能と、クラウド版(my.handbookx.com)との違いについて説明します。
専用サーバーとは
専用サーバーは、企業・組織ごとに独立した環境で Handbook X を運用するためのエンタープライズ向けソリューションです。クラウド版と比較して、以下のような特徴があります。
| 項目 | 専用サーバー | クラウド版 |
|---|---|---|
| サーバー環境 | 専用環境 | 共有環境 |
| アカウント管理 | 管理者が直接管理 | ユーザー自身が登録 |
| サービスプラン | 無制限(契約に基づく) | Free/Personal/Team/Business |
| ストレージ容量 | 契約に基づく設定 | プランごとの上限あり |
| ワークグループ数 | 無制限 | プランごとの上限あり |
| ブック作成数 | 無制限 | プランごとの上限あり |
専用サーバー固有の機能
1. アカウントタブ
専用サーバー版ではアカウントタブが表示され、管理者がユーザーアカウントを直接管理できます。
クラウド版との違い: クラウド版ではアカウントタブは表示されません。ユーザーは自分でアカウントを作成します。
主な機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| アカウント一覧 | 登録されているすべてのアカウントを表示・検索 |
| アカウント追加 | 新規ユーザーアカウントの作成 |
| アカウント編集 | パスワードリセット、権限変更など |
| アカウント削除 | ユーザーアカウントの削除 |
| 一括インポート | CSVファイルからのアカウント一括作成 |
| 権限の一括変更 | 複数アカウントの権限を一括で変更 |
| デバイス制限 | プラットフォーム(iOS/Android/macOS/Windows)ごとのアクセス制限 |
詳細は 7. アカウント(専用サーバー) を参照してください。
2. アカウント権限(組織レベルの権限)
専用サーバーでは、組織全体でのユーザー権限を5段階で設定できます。
| アカウント権限 | 説明 | 主な用途 |
|---|---|---|
| オーナー(Owner) | 組織の所有者。すべての機能を利用可能 | システム管理者 |
| 管理者(Admin) | アカウント管理、統計閲覧などの管理機能を利用可能 | 部門管理者、IT担当者 |
| 一般(Normal) | 標準的なユーザー。ブックの作成・編集が可能 | 一般社員(コンテンツ作成者) |
| エクスポート不可(NoEx) | エクスポート機能が制限されたユーザー | 機密情報閲覧者 |
| 閲覧者(Reader) | 閲覧のみ可能なユーザー | 閲覧専用ユーザー |
重要: アカウント権限と共有権限は独立した概念です。詳細は D. 専用サーバー管理者向け:アカウントとワークグループの管理指針 を参照してください。
3. 統計機能の拡張
専用サーバーの管理者(Owner/Admin)は、すべてのユーザーを対象とした統計データを確認できます。
統計対象の選択肢
| 選択肢 | 説明 | 表示条件 |
|---|---|---|
| すべてのユーザー | 専用サーバー上のすべてのユーザーを対象 | 専用サーバー版で管理者権限を持つ場合のみ |
| すべてのワークグループユーザー + ワークグループに属さないユーザー | 自分が管理するワークグループのユーザーを対象 | 常に表示 |
| [ワークグループ名] | 特定のワークグループのユーザーのみ対象 | 管理可能なワークグループごとに表示 |
クラウド版との違い: クラウド版では「すべてのユーザー」の選択肢は表示されません。
4. ワークグループ管理の違い
専用サーバー版では、ワークグループの管理方法がクラウド版と異なります。
ワークグループの表示
| 項目 | 専用サーバー | クラウド版 |
|---|---|---|
| 管理ワークグループタブ | 「管理しているワークグループ」 | 「オーナーのワークグループ」 |
| 参加ワークグループタブ | 「参加しているワークグループ」 | 「参加中のワークグループ」 |
メンバー管理
| 機能 | 専用サーバー | クラウド版 |
|---|---|---|
| メンバー追加方法 | 既存アカウントから選択して追加 | メールアドレスで招待 |
| 招待機能 | なし(直接追加) | あり |
| QRコード参加 | なし | あり |
| 参加リクエスト承認 | なし | あり |
| メンバーエクスポート | なし | あり |
共有権限の表示
専用サーバー版では、ワークグループ内の権限は「共有権限」として表示されます。
| 共有権限 | 説明 |
|---|---|
| ワークグループオーナー(Owner) | ワークグループの所有者 |
| 共有権限管理者(Admin) | ブックの共有設定を管理できる |
| 共有権限あり(Editor) | ブックを共有できる |
| 共有権限なし(Reader) | ブックの共有はできない(閲覧のみ) |
5. ログイン方法の違い
| 項目 | 専用サーバー | クラウド版 |
|---|---|---|
| メール/パスワード | ○ | ○ |
| Apple ID ログイン | - | ○ |
| Google ログイン | - | ○ |
注意: 専用サーバー版ではソーシャルログイン(Apple ID、Google)は利用できません。
6. プロフィール/設定タブ
| 項目 | 専用サーバー | クラウド版 |
|---|---|---|
| タブ名 | 「設定」 | 「プロフィール」 |
| サービスプラン表示 | なし | あり |
| 支払い情報 | なし | あり |
| アップグレード | なし | あり |
7. 制限事項がない機能
専用サーバー版では、以下の制限がありません(契約に基づく上限設定は可能)。
| 項目 | 専用サーバー | クラウド版(例:Teamプラン) |
|---|---|---|
| ワークグループ作成数 | 無制限 | 5個まで |
| ワークグループメンバー数 | 無制限 | 6人まで |
| ブック作成数 | 無制限 | 30個まで |
| 共有ブック数 | 無制限 | 30個まで |
| セクション数/ブック | 200 | 200 |
専用サーバー運用のベストプラクティス
アカウント管理の考え方
- アカウントは人単位で作成: 1人の従業員に対して1つのアカウントを発行します
- 権限は最小限に: 必要な権限のみを付与します(最小権限の原則)
- 定期的な棚卸し: 退職者・異動者のアカウントを定期的に確認・削除します
ワークグループ設計の考え方
- 組織構造に合わせた設計: 部署・チーム単位でワークグループを作成します
- 権限の委譲: 各ワークグループの管理は現場のリーダーに委譲します
- 兼務への対応: 1人のユーザーを複数のワークグループに所属させることができます
セキュリティ対策
- デバイス制限の活用: 社外からのアクセスを制限する場合は、プラットフォームごとのアクセス制限を設定します
- エクスポート制限: 機密情報を扱うユーザーには「エクスポート不可」権限を設定します
- 閲覧者権限の活用: 編集が不要なユーザーには「閲覧者」権限を設定します
関連ドキュメント
- 7. アカウント(専用サーバー) - アカウント管理の詳細
- 6. ワークグループ - ワークグループ管理の詳細
- 6.6 メンバー管理 - メンバー管理と共有権限の詳細
- D. 専用サーバー管理者向け:アカウントとワークグループの管理指針 - 権限設計の考え方